昔遊びと悪ガキ

キラキラとした別世界。・・・今考えると、これほど外の世界が魅力的に感じた時代はなかった。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

田舎の香水はどこへいった。

2006.09.13 (Wed)

 ああ、なんという懐かしい響き。田舎の香水とは。いまとなっては、シャネルやフェラガモにも勝るとも劣らない貴重な存在である。すっかり大阪のベッドタウン化したボクの町では、まずお目にかかれない。何を。下肥えをやっている農家の姿を、である。かつては田んぼや畑、畦道のそばに野ツボがあり、そこに下肥を溜めていた。それで野ツボのことを肥溜めともいった。田舎の香水はそこからも臭ってくるし、あろうことか町中からも漂って来たのである。

 当時の町家は、オツリの来る汲み取り式の便所だった。汲み取りの日には家中や町内中が、あの芳しい香りで満たされた。クッサーっ。ボクの町内では、それがたいてい朝であった。だから、しばしば、用を足しているとき汲み取りの人がやって来た。最悪のタイミングだった。容赦なく肥杓(こえびしゃく)を突っ込み、せっせと肥桶に汲み上げてゆく。そんな状態で辛抱していると困った現象が起きる。ドップンドップンという音とともに杓で混ぜ返された臭いが服にまでしみこんでしまうのだ。これには参った。後には市のバキュームカーに替ったが、昭和36年頃までは近在の農家の人が、そうした作業を受け持っていた。下肥は畑の養分となり、都市近郊栽培の野菜の生育に欠かせなかったからである。

 一方、野ツボにも、ある種笑い話はつきまとう。平生から使われていたものは場所がはっきりとしていて、そんなところに間違っても落ちることはなかったが、問題なのは忘れられた野ツボである。田園には、空き地か畑地かが曖昧な場所があって、そんなところに小さな野ツボが手ぐすね引いて待ち構えているのである。草が伸びていたりすると、まったくわからない。仮にそこを通るのが近道だとする。子供というものはどうしても、そこを走り抜けてしまうのだ。悲劇はそうしたときに、不意に訪れるものだと言える。
 同じ田舎の香水でも、本格的な農村部でのそれは少し趣が異なった。牛など家畜の堆肥の臭いは、人糞ばかりのものとは格段に品位のあるものであった。清潔感すら覚えたのだから、農業に対する敬意があったと言えば、言えなくもない。
 それにしても化学肥料万能の現在、あの芳しきブランドたちとは、どこへ行けば会えるのだろう。
inakanokousui.jpg

スポンサーサイト

<< 前の記事へ | HOME | 次の記事へ >>

コメント

イラストのカラーも香水色をしてますなあ。田んぼの、あの稲を積み上げたのも、最近、見ない。なつかしい。

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL

 | HOME | 

プロフィール

natsumiryo

Author:natsumiryo
FC2ブログへようこそ!
夏海 漁の
悪ガキワールドへようこそ!

FC2カウンター

フリーエリア

フリーエリア

月別アーカイブ

フリーエリア

フリーエリア

翻訳できるよ!

ブログ内検索

Powered By FC2ブログ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。