昔遊びと悪ガキ

キラキラとした別世界。・・・今考えると、これほど外の世界が魅力的に感じた時代はなかった。

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「ドードーブチ」とアメンボウ捕り

2007.06.04 (Mon)

そこは「ドードーブチ」と言った。
ドードーブチは、水がドードーと流れ落ちるから「ドードー淵」と言うのかどうかははっきりしないが、大人も子供たちも昔からそう呼んでいた。11戸の小さな村に寄り添うように川が流れ、それはちょうど、村の中ほどにあった。

ドードーブチは四畳半ほどの丸い壷型になっていて、滝の下は小学生の高学年でも足が届かないほど深くえぐれている。ドードーブチの上は、両側から大きな岩が迫り出し、V字型の水が勢いよく下の壷へ落ちていた。
ドードーと音をたてながら。 

岩の横には、大きな合歓の木が、青々と繁り、丸い壷にすっぽり蓋をしていた。合歓の木は梅雨が終わる頃、フワフワとした美しい桃色の花をつける。
そして、将太たちが夏休みに入る頃には花も落ち始め、川面に揺れながら、茶色い醜い塊となって、隅の方にプカプカと浮かんでいた。

将太たちの村にも、短い夏が始まった。
春来川の流れる谷あいも深い緑一色に覆われ、湿気を含んだ熱い空気が沈んだまま動かない。その春来川を挟み、萌葱色の鮮やかな絨毯が広がる。時折吹く風を受けて鳥避け用のビニルテープがキラキラと光り、その絨毯は、渦巻くように白くさざ波だっている。

萌葱色の絨毯の遥か向うには、やがて険しい深緑の山々に塞がれる。そこは、何人たりとも拒絶するかのような表情を見せていた。
白いさざ波が、ドードーブチを一気に飛び越えた。そして対岸に続く絨毯の上を走る。間髪入れず、深緑に葉音を鳴らしながら、山頂へ這い上がる。その後は微動だにしない熱い空気が支配した。

息がつまるほどの蒸し暑い叢の中で、虫たちの鳴き声のみが、せわしなく谷にこだましている。山々が幾重にも連なり、その向うは薄紫色に霞みがかっていた。向かい合う峰の上に、抜けるような逆三角形の空。その中に、天をも押し上げそうな勢いの、見事な入道雲が見下ろしていた。

アメンボウ捕り
ドードーブチの少し上流に地下水が湧いていた所があった。夏だというのにその一帯だけ極端に水が冷たく、シダやスギ苔の間からチョロチョロと湧いていた。アメンボウはそんなキレイな場所に何百何千といて、ボクたちが近付くと、一旦は蜘蛛の子を散らすように逃げるが、すぐ足下に寄って来た。

(音叉に集まるアメンボウ・・・ボクは、音叉でアメンボウを捕ったという記憶はない。そんな仕掛けの必要はなく、アメンボウなどどこでもいて、いつでも捕れたからである。ところが都会で暮らしていた友人が、小学校の理科の時間にやったことがあると言うので、ある日試してみた。不思議であった。何故こういうことになるのか分からないが、面白いように集まるのだ)

amenbou2.jpg

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