昔遊びと悪ガキ

キラキラとした別世界。・・・今考えると、これほど外の世界が魅力的に感じた時代はなかった。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

将太の夏休み(2)

2007.07.17 (Tue)

太陽が頭上で強烈に輝いていた。
将太の夏休みは、祖父の言付けられた“干し草刈り”から始まる。雪深い将太の田舎は、夏の暑い時期に草を乾燥させて、越冬期間の家畜の貴重な保存飼料にするのだ。

夏休みが始まったその日から、将太は約束通り田んぼに出た。父親が朝苅って田んぼの畦に干しておいた草を、太陽が一番高い昼の間に、もう片面をひっくり返す。そしてまた、夕陽を見ながら取り込む。将太の仕事がそれであった。

将太はこの手伝いをすることで、後は堂々と遊べると思っていた。だから祖父の言い付けだけは守っていたが、正直、苦しくて、どうにも続かなかった。暑くて、半乾きの草いきれの中で窒息しそうだった。頭から顔から、玉のように吹き出した汗が次々と合体して幾筋も流れた。麦わら帽子の下の顎から汗が滝のように流れ落ちた。

草をひっくり返して見ると、既に刈り取られた後の短い茎から、早くも新芽が出始めていた。雨や夜露で一旦湿ると腐ってしまうので、陽の沈まない内に、取り込まなくてはならない。〈うかうかしていると、あっという間に秋風が吹くぞ〉と、祖父の怒声が聞こえたようだった。

「繁ちゃん、ドードーブチ行こ」
将太は昼の手伝いを終えると、その足で繁男の家に寄った。
繁男の大きな家も今は静まりかえっている。庭の周囲にある植え込みや花が、焼けそうな太陽に抵抗し切れなくなったのか、肩を落としていた。
繁男の家の庭に入ると、玄関の暗い部分から、ニュッと顔を覗かせた。
「もう何してんねんな、将ちゃん」
繁男が手拭いを片手に、暗い玄関から飛び出してきた。
「いっつも遅いやんか」

syota-2.jpg

スポンサーサイト

<< 前の記事へ | HOME | 次の記事へ >>

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL

 | HOME | 

プロフィール

natsumiryo

Author:natsumiryo
FC2ブログへようこそ!
夏海 漁の
悪ガキワールドへようこそ!

FC2カウンター

フリーエリア

フリーエリア

月別アーカイブ

フリーエリア

フリーエリア

翻訳できるよ!

ブログ内検索

Powered By FC2ブログ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。