昔遊びと悪ガキ

キラキラとした別世界。・・・今考えると、これほど外の世界が魅力的に感じた時代はなかった。

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越冬のアイテム

2008.02.11 (Mon)

ボークーズキンは、ボクの田舎では学童の越冬アイテムのひとつであった。それは、冬が到来するとそれぞれの家庭では、子どもたちのために、母親が通学用のアイテムとして、ボークーズキンなるものを丹精込めて作って持たせた。

子どもたちも、それを防寒具として通学時に被って、冬の山道を学校へ行った。大人たちはボークーズキンと言っていたのだが、戦後十年近くも経ってから生まれたボクたちに、ボークーズキンが本来、何のためにあったものかなど知る由もなかった。

雪が降り、冬に、特に寒い日はボークーズキンを被り、太陽が出て暖かくなると脱ぎ、背中の方へ降ろす。ボークーズキンは、昔話しによく登場する雪の妖怪「雪ん子」が被る、三角形の綿入れの和風帽子のことである。

デザインのことに触れなければ、このボークーズキンは優れた機能を持っていた。座布団大の大きさの布地を、綿をサンドウィッチにして挟み、二つ折りにして、片方(頭の上)だけ縫い込む。それから、首の後ろのところに紐を付け、先端を前に回し、被った時に顎の下で結ぶという仕掛けになっていた。頭から肩まですっぽり包み、しかも綿入れだから吹雪の時でもとても暖かかった。

ボークーズキンが「防空頭巾」で、戦時中、空襲の時に活用されていたと知ったのは後のことである。

ボークーズキンブームは、小学校に入って二年生になった頃には消えていた。その後、暫くは地震の時のためにと教室の後ろに置かれてあったが、それを活用することもなく、いつの日か消え、ボクの記憶の中からも消えてしまった。

防空頭巾以外の越冬アイテムとして、ゴム長靴とマントが欠かせなかった。ゴム長靴は単なるゴム長靴ではなかった。一般的なそれだと、深い雪道を歩くと靴の上部から雪が入る。ボクたちが愛用していたゴム長靴は、雪の侵入を防ぐ、ゴムのカバーが付けられていた。

普段、そのカバーは中に折込まれていて、必要に応じてそのカバーを伸ばし足を入れる仕組みになっていた。だが、フカフカの雪ならそれだけで十分なのだが、凍てついた道を歩くには、不安がつきまとった。そこで大人たちは秘策を講じた。縄である。滑り止めの縄を、ゴム長靴に巻くだけで凍てついた道も難無く歩けた。それは、ちょうど「土踏まず」に当たるところで縄を一巻きするだけであった。

マントは分厚いフェルト地で、肩から膝まですっぽりと包み、手を出し入れする袖がなかったためにいつも不自由であった。

大人たちはもちろん、あの時代のボクたちに、ファッションの概念の欠片もなかった。防空頭巾は、ほぼ絣地で統一され、ゴム長靴もマントも黒以外はなかった。貧しかっただけでなく、選択の余地がないほどバリエーションというものが皆無であった。

真っ白の雪道を、一列に連なって歩く、真っ黒な「雪ん子」は、さぞかし無気味に映ったことだろう。

ファッションという概念も、身につける物にカラーがあることを知ったのは、ずっと後のことである。
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