昔遊びと悪ガキ

キラキラとした別世界。・・・今考えると、これほど外の世界が魅力的に感じた時代はなかった。

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凍死の恐怖。

2009.01.25 (Sun)

hubuki.jpg

命のやり取りにつながる恐怖を味わったことが何度かあった。いま思えばだが。
最初は山スキーで吹雪に遭い、孤立してしまった時。二度目は、裏山の山頂からスキーで滑降、松の枝を引っ掛けて転落、一時、気を失った時。あとひとつも、やはり吹雪であった。吹雪ほど恐ろしいものはない。視界も、方角さえも分からなくなるのだから。

それは、小学生の2年か3年の頃だったか、その年の冬は、例年になく降雪量が記録的なもので、正月を迎えた頃には2メートルを越える積雪量であった。
心臓を患っていた母の容態が思わしくなく、毎年12月に入ると出稼ぎに行っていた父は、そのこともあって見合わせた。

吹雪が続いたある日、農作業の疲れも取れず毎日の看病で、疲労困憊の父は、とうとうダウンした。朝、うなされていた父は高熱を発して、頭から湯気を上げるほど意識朦朧の状態であった。もちろん風邪薬を無理矢理飲ませた。

病症の母は何を思ったか、とにかく栄養をつけなくてはと思ったことに違いない。豆腐と玉子を買いに行くよう、ボクに言いつけた。だが、ボクの村にはそれを売る店がない。仕方がないので、一斗缶と天秤棒を持って、ボクと妹は2キロ離れた山の上の隣町まで、雪の中を歩いて行くことになった。

空の一斗缶は、豆腐数丁と水を入れると急に重くなった。天秤棒にぶら下げた缶を、二人で担いで帰路についた。
帰り道は一段と吹雪が強くなり、たとえ通い慣れた道とはいえ、見えるのは足下ばかり。あとは勘を頼りにするしかなかった。

途中で何度も休みつつ、方角を確かめ、凍える手を揉みながら必死で雪を踏んだ。しかし、限界はすぐそこにあった。雪の少ない森の中で少し長めの休息したが、眠くなってしまった。とりあえず玉子だけを持たせて、妹を先に帰らせることにした。

だが、眠気は一向に去らない。寒い筈なのに、どういう訳か眠い。
ボクは缶の上に座って、眠気と格闘した。こんな寒い中で眠ってしまえば死ぬだろう、などと考えもしなかった。というより、凍死の概念すらなかったと思う。

気持ちのいい睡魔が徐々に、ボクの身体を覆い尽くそうとしていた。ウトウトウト・・・と、どれほど夢の中を彷徨っていただろう。その後の記憶が殆どない。一斗缶の中は、既に氷が張っていて、それを見て慌てた。肩にくい込む元凶の水を、ともかくその場に捨てたことだけは憶えている。

凍死する前は眠くなるということを知ったのは、ずっと後のことである。
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コメント

No title

こんばんは♪
そんなに、怖い体験があったんですね。
それど、どうやって、すくわれたんですか?
小学校の頃はよう降りました、雪。

No title

こんにちは、ほのぼのさん。

どうやって救われたか、ですか?
記憶がはっきりしないんです。
家の者が救いに来たのではないので、たぶん、無意識のうちに身体が動いていたんだと思います。

あの森は、家と店の中間だったので、重い一斗缶担いで、雪の中を泳ぎながら帰ったのでしょう。

No title

すごくいい体験をしたんだと思います。
もちろん生きていたからですが、その経験の積み重ねが豊かな人間性を創るんですね。
だけど舌出し写真はやめてよ。。。

No title

DAIKさん、コメントありがとう。

いい経験だったと思います。
でも、その時は死に直面していただなど、たぶん思ていなかったと思います。
死と隣り合わせだと、その時に思えば、また違う人間になっていたのかも知れません。

鈍いんでしょう。
その時は、一歩間違えば・・・なんて。
大体、後で気がつくんですね。

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