昔遊びと悪ガキ

キラキラとした別世界。・・・今考えると、これほど外の世界が魅力的に感じた時代はなかった。

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「居酒屋ゆうれい」から。

2009.04.22 (Wed)

ちょっと古いが、数ある邦画で「居酒屋ゆうれい」は、特に気に入っている。なぜかは分からない。

日本の怪談では「四谷怪談」「番長皿屋敷」「牡丹灯籠」が三大古典と言われるほど有名で、小さい頃から何度も観ている。怖いのだが、怖いもの見たさからつい観てしまい、その夜、漏らしたこともあるくらいだ。

だが、この「居酒屋ゆうれい」は、古典的怪談のような正当路線ではなく、コミカルに幽霊を語っているのだ。しかも現世人と堂々とコミュニケーションしているところが面白い。

「しず子」を演じる室井滋のキャラ、「しず子」を愛していたが「里子」も好きだと、滑稽なまでにピュアな「壮太郎」のキャラ、そして、怪しげな「里子」とのコンビネーションが爆笑を誘う。
まずはあらすじを。

病弱な居酒屋の女将「しず子」が死んだ。後添えは決してもらわないと「しず子」に約束した主人「壮太郎」だったが、「里子」という女の誘惑に抵抗することができなかった。

やがて、この世に未練を残して死んだ「しず子」との間に、奇妙な三角関係が生じる。「しず子」はまだ「壮太郎」を愛している。しかし、死んだ我が身をどうすることもできない。

嫉妬に狂った「しず子」は、逢瀬を重ねる二人の間に割って入り、数々の悪さをするという、山本昌代原作の人情コメディ「居酒屋ゆうれい」である。

かつて「しず子」との寝屋にある床の間に、円山応挙の掛け軸がある。その掛け軸こそ、あの世に逝けずに彷徨う「しず子」の、唯一の出入り口なのであった。霧のように落ちる滝に、フワッと浮かぶ真っ白な女。落ちる水の音が反響し、そして、その女はフッと消える。「しず子」が現世に舞い戻った瞬間である。

「壮太郎」は、一日の仕事を終えて「里子」を抱いていた。部屋の隅の付けっぱなしのボロテレビから、笑い声に混じって古今亭志ん生の声がする。
落語「お化け屋敷」である。

・・・『あの家にはね、以前、30過ぎの夫婦が暮らしていたんですよ。夫が金貸しをしていてね、暮らしぶりは悪くなかった。でもね。ある日、旦那がポックリ亡くなってしまいましてね。残った女房は一人で金貸し続けました。女房は人格者でしてな、利息なしで金貸してくれるし、ある時払いの催促なしで無下に催促をしようとしない。だからますます繁盛したんですよ。でもね、昔から言うでしょ?『月に群雲、花に雨』って・・・』 「はあ」 『ある晩、あの家に泥棒が入りましてな。おかみさんが寝ているのをいいことに、金目の物を奪って逃げようとしたんですよ。で、おかみさんの横を通りかかる。あんおおかみさんは美人でな、長屋の連中がこぞって一緒になろうとしていたんだ。そんな美人の人だから、泥棒もつい気になってフラフラッと顔を覗き込んでしまったんですよ。そこでおかみさんが目を覚まして『ドロボー!!』。慌てた泥棒は『伊達には差さねえこの大だんびら。うぬがどてっ腹へ、お見舞い申すぞ』だなんて言って、本当におかみさんを刺し殺して逃げちまったんだよ。さあ、長屋は大騒ぎだ。泥棒を追いかけたが足の速い奴でねえ、あっという間に逃げ出しちまった。し方がないので、我々でおかみさんの葬式を出して、長屋をきれいにして「貸店」の札を張ったんですよ。ですがねえ・・・』 「誰かが借りにきます。ですが、四日を過ぎると決まってみんな逃げ出してしまうんですよ。話しを聞くと、一日・二日目はなんでもないらしいんです。ですが、三日目・・・」 「三日目?」 『三日目の晩、草木も眠る丑三つ時、独りでに仏前の鈴がチーン、縁側の障子がツツーと開いて、髪をおどろに振り乱した女が現れます。その女が、ゲタゲタゲタゲタっと笑うんですよ。で、冷たい手で顔をサッ』・・・

「しず子」の気配がオーバーラップする。それを合図に、掛け軸の中の女が消え、やがて背景の滝の音ともに「しず子」が現れる。

「そんなにあの女が好きなのかい?」と「しず子」。二度と嫁は取らない、と約束した「壮太郎」は合わせる顔がない。「しず子」の姿は「壮太郎」だけにしか見えないのだ。それをいいことに、「里子」に悪戯をして喜ぶ「しず子」であった。
「お前は死んでしまったんだ。でも、俺は生きている」と「壮太郎」。

話は続くが、ここまでにしておこう。

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コメント

No title

こんばんは♪
居酒屋幽霊・・・すこし(寝たりおきたりしながらなので)みたように思います。
改めて・・・おかしいですよね。
室井さんの役者ぶりがうかがえますよ。
ほんとにありそうな。。。。

No title

この小説(「小説」のほうですが)は夏海さんに勧められて探したんだけど、なかった記憶があります。

たしかにおもしろそうな感じだなあ。


ふたつの不幸。

春はねえ、空気が陽気なぶんだけ不幸も頑張るのかもしれない。記憶でも、春は危険だなあと感じたことがたびたびありました。

ツイてない、ということにしておこうよ。一過性のトラブルだと思わなきゃ、身がもたないってこともある。

こちらも注意深くやってたんだけど、春の陽気とともに、ちょっとおかしげな症状が出はじめた。明日は病院に連絡して…と、また例のドタバタがはじまりそうだ。(たいしたことがなければいいんだけど。)

No title

ほのぼのさんへ

この映画、たぶん映画館で3回、テレビでは4~5回ほど放映したと思います。
友人のブログに「幽霊探偵団」というのアップしていますが、これは別の意味でメチャクチャおもろいですよ。
リンクから覗いてみてください。

No title

nineupさん

ボクも原作本は見ていないですが、出ていますよ。

河出文庫 〔文藝コレクション〕
居酒屋ゆうれい
山本 昌代 著
文庫 ● 1994.10.04発売 ● ISBN:978-4-309-40426-4
定価387円(本体369円)

春はすべての生き物が目覚める季節ではありますが、その反面、エネルギーを奪われる季節でもあります。
精神的に不安定になるのもこの季節。
母上もうまく乗り切れればいいですね。

ありがとう

別口への訪問、お手数をおかけしています。
そうですか、田舎での川遊び。楽しみでしょう。
こちらは相変わらずのフリーの気ままな暮らし。
天気がよければ自転車で車の空いた都会の道を、ボツボツと走ってみようと「思って」いますが、気ままな心根、どうなることやら。
「バカンス法」でも作れば政府の人気も100%アップと思う最近です。
フランスのバカンス法は1930年代の不況時期に作られたとか。
世界の中で一番シンドイ数字が「日本」だとだんだんと新聞などに細切れに出てきました。
愉快でない数字をいつまでも隠したり先延ばしできるほど「列島」」は「劣等」だと思う為政者の情けなさではないことを願うばかりの大連休が始まりました。
さ~どうなることやら?

出張お疲れ様でした!

ご無沙汰しています!
40日間の出張、大変お疲れ様でした。

寝床が変わると、なんとなく体の疲れがとれないですよね。

おいらは出張慣れしてどこでも寝れる
体質になってはいるものの、
やはり出張から帰ってくるとドッと
疲れが出てきます。

出張先の面白話も期待しています!!

No title

中年不良探偵団さん
GW始まりましたね。いま、お休みですか?

>「列島」」は「劣等」
いい、面白い表現ですね。
先日、与謝野氏でしたか、「景気は確実に上向いている」などと言っていました。
まず、国民の誰一人、そう感じているものはいないでしょう。「悲観的」ではなく、事実ですから。
仮に与謝野氏が正しいとしても、それは日本の政府の政策努力によるのもではなく、国民や一般企業が汗したことによるもの。「様子見」専門です。
彼らが得意なのは、実行できないキャッチフレーズを作り、選挙運動に騒ぎ、貯蓄することですよ。
本当に恥ずかしい。

No title

ねずみさんへ

館山って、房総の先っちょですよね?
千葉へはまだ一度しか行ったことがないです。
確か、千城台の近くだったかな。
息子の嫁の郷で、結婚式の前に一度。

館山は遠いですね。

出張の疲れはもうないんですが、
日焼けして真っ黒だった顔も、今はもう
すっかり褪めてしまいましたよ。


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