昔遊びと悪ガキ

キラキラとした別世界。・・・今考えると、これほど外の世界が魅力的に感じた時代はなかった。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

鬼平犯科帳と池波正太郎

2010.02.09 (Tue)


火盗改め長谷川平蔵が実存であったと知ったのは、最近のことである。それまでは、池波正太郎の創り上げたキャラクターとばかり思っていたのだが、彼が実際に記録していた「御仕置例類集」というのがあった。

この「例類集」は、火付け盗賊を主とする、いわゆる犯罪の記録集みたいなもので、長谷川平蔵名で幕府評定所への量刑伺い順に、膨大な事例で記録・紹介されている。

犯罪の種類、犯罪者の生国と年、それに姓名と量刑が記され、その犯罪の内容が詳しく記録されている。
たとえば下記のようなものである。


photo_24.jpg


<転記1>
○盗み    (天明七年) 三十五番
 板橋無宿・三之助坊主    死罪
三之助坊主は、板橋宿・豆腐屋で木綿反物一つをかたりとり、護国寺裏門の番所脇で竿にかかっていた木綿袷を拾った。本郷新町屋の茶店では茶釜にかかっていた薬缶を、また湯横町では町屋の表庇の下に積んであった醤油を1樽ぬすんで売りはらった。
芝口3丁目では同類が馴れあって、飯釜・茶釜・銅壺蓋を盗みとったときは見張りに立って分け前を受け取った。
上野山下では銀入りのサイフを抜きとり、本郷3丁目では銭の入りのサイフを切りとった。
このほかにも、人ごみの場所で、腰銭、たもと銭や懐中の銭、を抜きとったのは不届きにつき、入墨の上。重敲き・門前払いといたしたい。
裁決---芝口3丁目では、無宿・伊勢乙が小屋がけ住居の板囲いを乗り越え、戸口の鉄錠前をこじあけて侵入しているのを外で見張った。自分は中へ入らずともこれは死罪。以下省略
<転記2>
○盗み    (天明七年) 三十五番
 本所無宿・政次    入墨の上、重敲き・門前払い
政次は身持ち不埒で無宿となり、本所南割下水屋敷・門番所の戸が開いていたので侵入し、布子や引解を盗んで売り払った。
石原町の辻番所でも質物代銭をとってにげている。
林町2丁目の屋敷稲荷で鉄灯篭・真鍮幣・木綿幟を盗んで隠しおいた。不届きなので上記の処分といたしたい。
入墨の上、重敲き・門前払い。以下省略

「鬼平犯科帳」Who’s Who
http://onihei.cocolog-nifty.com/edo/cat6085098/index.html

池波正太郎は、この「例類集」を元にして、あの有名な「鬼平犯科帳」文庫本全18巻(だったか)書き上げたらしい。池波正太郎の剣豪もの忍者ものの多くを、既に20年ほど前に読んでいて、「鬼平犯科帳」の18巻も当然読んでいる。(だったか)と言った理由は、「鬼平犯科帳」は、そもそも犯罪のひとつひとつが短編になっているためだ。

池波正太郎の作品で、一番最初に読んだ作品は「人斬り半次郎」だった。それにはまり込んでしまった。奈良に住んでいた頃であった。会社からの帰り、奈良駅前の本屋で、帰りのバスの時間まで入り浸って3冊4冊とまとめ買いをしていた。
その中で気に入ったのは「剣客商売」、「その男」、「お蝶戦記」、「忍びの風」、「編笠十兵衛」である。

今日は「鬼平犯科帳」が放送される日であった。チャンバラ好きの子どもが、そのまま大人になったようなひと時。圧倒的に強い長谷川平蔵もさることながら、このドラマのエンディング曲がまたいい。「ジプシーキングス」のインスピレーションである。字幕をバックに流れる、激しいギターの音色を聴く。そしてリアルな江戸の風情が映像で流れる。これがまたいい。

まずは、この響きをご堪能あれ。
Gipsy Kings / Inspiration




スポンサーサイト

<< 前の記事へ | HOME | 次の記事へ >>

コメント

刺激ありがとう

池波氏、いいですね。僕はすっかり忘れていた。思い出させてくれてありがとう。彼の「食味」や「随筆」ばかりに夢中になっていた時もありました。
TVのことはわかりませんでしたが、音楽は二回もクリックしました。なるほど、ギターのある音程の繰り返しは、池波氏の文章の流れに合うんですね。彼も「素人」からの苦節の中での「物書き」になられた。
そういえば、僕は彼が好きだったと言うことを知らないままに池波氏が好きだった長野、上田のお蕎麦屋さんへは仕事で行く度に行っていました。「かじや」と言う名の大昔はどうやら鍛冶屋さんだったらしい。太いそばを打ちます。もう一度食べに行きたいが、、、。

No title

中年さん

語り口調に特徴ある歯切れの良さが、ボクは気に入っています。それに、テンポ良いストーリー立ては、読む人を飽きさせない。
劇画タッチとでも言うのでしょうか、ボクは漫画の方は全く読まないので、「劇画」という言い方が合っているのかどうか分かりませんが、一場面が終わっても、一息させる余裕を与えない。次の展開を早く知りたい衝動に駆られます。

誰かに「娯楽小説」と言われましたが、どんな小説でも読者を飽きさせないのが第一条件だと思います。どれほど高尚なものでも、飽きることはあります。

傾向が少し違いますが、「白石一郎」の小説もいいですよ。この作家は、「海狼伝」で知りました。「海狼」、つまり海賊の物語です。これを読んだ後、なんとなく中途半端に切れたような気がして、出版社に問い合わせると、「ただいま執筆中でして、後日発刊されます」とのこと。数ヶ月後に「海王伝」が出版されたと言う訳です。

これお勧めです。
CW・ニコルの「勇魚」も良かったけど。

助かるアドバイス

歌舞伎世界からの修行と聞きます。テンポのよさと送りは、筋書き重点でのわかりやすさだと思います。年をとると若いときの「仕込み」で現状への対応で精一杯です。それが「年寄りの頑固性」と言われるのでしょう、僕もそうです。若いというのは柔軟性であり、パンツのゴムひもが乾ききって硬くなるのが老化の一つだと反省するのみです。とは言ってもパンツを履かぬわけにはいきません。では、どうやってパンツの紐を硬くしないで「自分の大切な急所」を守るかですな。
貴方のような若手からの刺激は役立ちます。
「白石一郎」の名を手帳にメモしました。散歩の時に図書館へ行ってみます。

No title

ボクはそれほど若くはありません。従って、貴兄のおっしゃる、若いとき仕込みの「頑固性」というのが時々出てきます。自分でも気づいてはいるのですが、なかなかコントロールができなくなりました。頑固というのはどうしようもないです。(苦笑)そろそろパンツのゴムの入れ替えの時期ですか。

なるほど、歌舞伎がベースとなっていましたか。一時期、ボクも歌舞伎に凝っていました。知り合いから度々ただ券を頂いて、南の歌舞伎座へ通ったこともありました。

散歩がてらの図書館通い。下町のゆったりした風情を感じます。実は我が家から歩いて5分足らずのところに大きな図書館がありまして、週一度は行きますか。もっとも散歩の距離ではありませんが。


読了

そうですか、長旅の稼ぎ仕事。見知らぬ土地の水にはお気をつけてください。11日建国記念日に、午前中の降る直前に、お奨めの「海狼伝」を。13日(土曜)雨の中を傘をさして「海王伝」を。読み終わりました。感想はHPに記載していきたい。久しぶりに「講談」という面白さを満喫しました。

No title

中年さん

返事が後先になりました。
貴兄のHP拝見。
池波と白石は作風が違いますが、テンポの良さと歯切れの良さは、どこか共通しているように思います。
白石の作品は、あまり多くありません。殆どが歴史もので、歴史とはいえ若干SFっぽいものがあったように記憶しています。


続いて読む予定

HPでの適切なアドバイスありがとう。
>「戦鬼たちの海」?については判りません。とりあえず白石一郎「海将ー若き日の小西行長」。商人から肥後24万石の大名には、「海狼伝」にちらりと「堺の商人」として出てきたので興味を持ち、読んでみます。>「怒濤の如く」これもよく判りません。
とにかく作品があれこれと多いので、まずは「長編」から読んでいく予定です。僕の好きな作家(橋本治)は「人間の話は全部講談だから、講談が扱っていないことに関して、日本人は何も知らないのですよ」と喝破している。その意味で、白川一郎の「講談本」は参考になります。ありがとう。

No title

中年さん

橋本治氏はボクも時々読みます。もっとも、職業柄「広告批評」での購読ですが。彼はこの雑誌の冒頭でよく書いておられました。冷静であり、平等であり、なおかつ鋭い批評をしています。

「海将ー若き日の小西行長」はまだ読んでいませんでした。今の仕事がとりあえず終わったら、図書館で探しましょう。

スゴイ人だと思う

ご存知の様に旧聞ですが「とめてくれるな、おっかさん、背中の銀杏が泣いている」というコピーと図柄が東大の苦悩と情けなさを表現したことは余りにも有名でした。源氏物語、桃尻枕草紙、双調平家物語と古典を自由に現代文にし、今や小説、評論と自在に「コトバの海」を渡っている。男もすなり「手編み」では、「写生文」の訓練を、子供向け教育論や小林秀雄論などは、僕は参考になりました。

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL

 | HOME | 

プロフィール

natsumiryo

Author:natsumiryo
FC2ブログへようこそ!
夏海 漁の
悪ガキワールドへようこそ!

FC2カウンター

フリーエリア

フリーエリア

月別アーカイブ

フリーエリア

フリーエリア

翻訳できるよ!

ブログ内検索

Powered By FC2ブログ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。